2024年4月29日月曜日

4ch DCモータードライバ回路

新ROBO-剣ロボットを作るにあたり、移動機構モーター用のDCモータードライバを設計しました。FETゲートドライバのIRS2003SあるいはIRS2302をアプリケーションノート通りに使用する回路になります。

これは回路図の一部です。モーターを4個使用するので、実際には同じ回路を4個並べています。

これは最初のバージョンで、基板設計の段階で一部間違えた箇所を修正しながら組み立てました。この後修正済みの基板を再度発注し直しています。

FETにはFKV575を使用したので、余裕を持って数十Aの電流を流すことができます。ただし実際にはVHコネクタの定格が10Aでこちらがボトルネックになるはずです。実際そこまでの使用は想定しておらず、回路全体のヒューズも20A程度のものを装着しています。

なおこれでも明らかなオーバースペックで、実際に走行中も電流は多くて1A前後という程度で、当然ながら特に問題なく動いていました。絶対に壊れないということでこのような設計としましたが、省スペース化のためにはFETを変えたり放熱方法を変えたりしても良いかもしれません。

Maker Faire Kyoto 2024に出展

Maker Faire Kyoto 2024で展示を行いました。


ROBO-剣を多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらえたと思います。このサイズのロボットが機敏で正確に動くのは面白いというような反応を多く貰いました。

今回はロボット1体だけですので実際のロボット同士の試合ではなく、移動機構の説明、対象との距離を保つフィードバック制御、そして面や胴への打撃を実演しました。

試合用の自動制御プログラムはまだ開発中で、移動と打撃を同時に行うと精度が出ないため、手動操縦も活用して各々の機能の解説という形になりました。

前回大会以来あまり進んでいなかったので、今回展示を通じて問題点の洗い出しができたと思います。重大なトラブルはありませんでしたが、次のような事項がありました。発生の原理や条件もある程度わかったので展示中は回避できましたが、次の大会までには根本から直しておきたいと思います。

  • 初期化処理が甘いことにより起動に失敗し、手動でマイコンをリセットして立ち上げ直す必要があった
  • 上の場合に、IMUが方位角を更新しないため方向維持のフィードバックによって機体が回転を続ける暴走
  • モータ電源ONのままでマイコンをリセットするとモータードライバ回路の意図せぬ動作で過大な電流が流れ、準備日に1回だけヒューズが作動


ブースを留守にしている間のための説明映像を今回も作成しました。

2024年4月19日金曜日

電源分配基板

電源分配用基板を作り直しました。 電源をON/OFFするためのパワーMOSFETと、基板にネジが落ちるなど不慮の事故に備えての安全のための電流ヒューズを載せました。ロボットの操作パネルに付く電源スイッチ(定格5A)は駆動用電流を直接流すためではなく、このMOSFETのゲート電圧を制御するために使います。



昨年作った基板はCNCフライスによる生基板の切削で、基板用エンドミルではない通常の刃物で切削したこともあり信頼性があまり良くなかったので、この改善を行いました。


電源は制御系と駆動用を分けてあり、それぞれ別のバッテリーから供給します。(今後変えるかもしれません)。それぞれにヒューズとON/OFFスイッチを設けています。本来は制御系がOFFされたら駆動用電源もOFFするようにするのが良いと思います。(モータードライバがブートストラップで上段FETの駆動電圧を作る方式のため、制御系電源がOFFするとモーターに大電流は流せないということから最低限の安全は確保されていると思います。)

2024年3月30日土曜日

二足歩行実験用ロボット製作開始

二足歩行の制御実験用のロボットを作り始めました。



コンテストに参加するためではなく、バランスを維持するフィードバック制御を試すためのものです。ROBO-ONEでは低重心、高剛性のメカ、強力な関節の位置制御と足裏の面積で機械的安定性を稼ぐことが定跡となっており、かつレギュレーションもそれを前提として作られていますが、それに対するアンチテーゼとして足を着く位置でモーメントを生じさせることで動的にバランスを維持するという方式を試してみたいと思い、製作を始めました。

片足3自由度で擬似的に点接触の足とします。そのため足裏は球面の一部というのが自然ですが、一応静止状態での安定点もあるようにと考えて円柱の一部としました。この部分はあとから交換可能です。
これに伴い、足を前後させたときに地面との接触箇所が大きく変わると良くないので、脚のピッチ軸方向は平行リンク機構を2つ積み上げた形にしました。
ROBO-ONEで主流のホビーロボットと比較すると、足首のロール軸がない、という違いになります。上の写真は上下逆に置いた状態なので、板状の足裏に見える部分は胴体です。
地面を蹴ってモーメントを生むために足裏と地面の間は滑ってはいけないので、クロロプレンゴムシートを接着しました。素材単体では摩擦係数がさほど高いようには見えませんが、荷重が狭い範囲に集中するためか、それなりに機能しているように見えます。

現在脚部のみで558gです。目的が制御実験用であるため、上半身をつけるかどうかはまだ未定です。

2024年3月6日水曜日

Kariya Micro Maker Faire 2024に出展

3月2日3日のKariya Micro Maker Faire 2024に出展しました。


文字盤式バーサライタ腕時計と超音波浮揚実験装置を展示しました。





2024年2月11日日曜日

マイコン時計 腕時計バンドの装着

 「腕時計」として使うためのバンドを付けました。

(なお、テスト段階では通常の腕時計の上に両面テープで貼り付けるという方法を取っていました。)

なるべく工作が簡単な方法ということで、本機では2つの穴を開けたABS板にベルトを通す方式としました。


2024年2月4日日曜日

マイコン時計 基板製作

回路基板です。

8割方の設計を決めた後に急いで1回目を作り、それを用いて実機を動かしながらソフトウェア開発を進め、実現可能性を検証しました。その後修正を入れて2回目のものを作りました。良い感じに仕上がったと思います。

  • ATtiny404
  • フォトインタラプタ
  • RTC
  • RTC用のバックアップ電池
  • LiPo充電用IC
  • PWM対応1象限DCブラシモータードライバ(MOSFETとダイオード)
  • USART用コネクタ(秋月AT-234X用のピン配置)
  • UPDI用コネクタ(秋月AT-234X用のピン配置)
  • 充電用USB-Cコネクタ

    基板はL字に組み合わせることで省スペース化を図っています。下の基板には回転部の原点を検出するフォトインタラプタが付いており、検出用に隙間に収めるようになっています。

    基板を直角に接するように組むためには、秋月のキットに付属しているL字ピンヘッダの余りを改造して再利用しています。

    4ch DCモータードライバ回路

    新ROBO-剣ロボットを作るにあたり、移動機構モーター用のDCモータードライバを設計しました。FETゲートドライバのIRS2003SあるいはIRS2302をアプリケーションノート通りに使用する回路になります。 これは回路図の一部です。モーターを4個使用するので、実際には同じ回路を...