土曜日の第16回ROBO-ONEカンファレンスで発表しました。「第7回ROBO-剣優勝ロボット『逡巡』」という題目でした。4月の第7回ROBO-剣で優勝した際に依頼を受けたものです。ロボットのハードウェア製作と制御の方法論、実装について解説しました。
もともとROBO-剣という大会自体が自動制御ロボット技術を指向したものでした。ROBO-剣は自律型と操縦型が混成で大会が行われており、逡巡は完全自律型で優勝した初めてのロボットです。そのため、認識や運動制御をメインの話にしました。
ロボットの自動制御というのは一種のAI分野の技術であるといえます。しかし世間一般でいう「AI」のイメージとはおそらく異なり、運動学計算、キャリブレーション等、とにかく地味な話が続きます。まずはこれができないとロボットを思うように動かせないからです。また、実はそれが現状ほぼこのロボットのすべてであるともいえます。センサーで観測した標的の位置に、アームを動かして接触させる、という最低限のシステムを愚直に構成しています。これら地味な部分を実装したシステムが完成して精度もそれなりに出るようになったので、なんとか試合ができるようになった、というところです。連続技、返し技、相手との読み合い等、高度な処理はまだこれからです。
カンファレンス参加者は、通常に比べて大学生が多かったそうです。また、かなりの割合が工学部の学生さんでした。
今の高校数学では行列は教えないそうで、1回生(第1学年)の教養科目(線形代数)で学ぶことになるのだと思います。スライドの説明で使っている数式は、基礎レベルの線形代数と微分積分で理解できるものです。もっとも、数値最適化という若干計算機科学に近い話も入っていますが。無味乾燥に見えるかもしれない数学もこういった応用があるということで、少しでも学生さんたちの動機づけになったことを願っています。
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