2025年6月29日日曜日

KONDOのロボット用シリアルサーボのためのUSB-ICS変換基板

KONDOのICSとは、 KONDOのロボット用サーボシリーズ(KRS-2500番台、4000、5000番台など)等に採用されている半二重調歩同調・CMOSレベルのシリアル通信規格です。技術資料が公開されています。1本の信号線で送受信を行い、同一バス上に複数のデバイス(主としてサーボ)を接続できます。IDを指定してサーボに目標位置の指令を送る他、現在位置や電流などの状態を取得したり、速度や電流のリミット等の動作パラメータを設定、更にはIDや通信速度等の設定をサーボ内の不揮発記憶に書き込む等の操作が行えます。

この通信はKONDOのロボット用マイコンボードRCB-4やKCB-5等が行う他、PCからシリアルポートとして認識させて直接通信を行うため専用のUSBインターフェースアダプタも市販されています。(KONDO Dual USBアダプター。ICS USBアダプター(No.02043)は販売終了)

今まで、「銀雲雀」「逡巡」「テーブルホッケーロボット」「インタラクティブ・ペンプロッタ」等のロボットでPCから少数のサーボを制御するため使用してきました。

KONDO純正のUSBアダプタはコネクタがUSB-Aで限定されること、RCB用のシリアルとの切り替え式となっていること、また価格もそれなりにする、などの理由でロボットに搭載するには不便なところもあるため、最近になって自作しました。


秋月のFT234X 超小型USBシリアル変換モジュール を使用しました。これにより難しいはんだ付けをすることなくUSBのmicroBコネクタを使うことができます。このモジュールには4本のピンに加えて、基板裏面のパッドにもう一つ、FT234のCBUS0端子が出ています。このCBUS0端子はI/Oであり、機能を選択して使えます。工場出荷時にはTXDENとなっています。

TXDENはRS485等のバスでの送信を許可するタイミングを出力する機能で、送信データのスタートビットの1ビット前からストップビットまでの間ONになる、となっています。ICSの半二重シリアル通信も「送信時のみ出力をONにする」という点で同じなので、スリーステートバッファの74HC126をこの信号で制御して使います。ブレッドボード上で確認して最大速(1.25Mbps)の通信速度でも動いたので、採用しました。


この基板はFT234Xモジュール基板とぴったり2枚重ねにして接続して使用します。ピンヘッダ接続用の4本のピンはそのまま上下に導線を通してはんだ付けできるのですが、CB0端子は表面にパッドがあるのみなので、ここははんだごての先が入る程の大きめのスルーホール穴を開けておいて基板同士を直接はんだ付けするようにしました。
なお本来このように基板に基板を直接ハンダ付けするような場合はM5Stampのように端面スルーホールにするとよりはんだ付け作業がしやすくはんだ付け状態も確認しやすいので確実なのですが、端面スルーホールは基板製造を注文する際に追加料金が発生するため、このような方法を採用しました。

上の回路は信号線とGNDのみを接続するものなので、実際にサーボに接続するにはサーボの電源を別途接続する必要があります。「逡巡」などのロボットではサーボハブ基板を作り、これにその機能を持たせています。(但し2025知能ロボコン時点では動作実績の確認が不十分だったため、このICS変換基板の採用は見送り、純正のUSB DUALアダプターを載せていました。)


(緑の基板左にある1個だけ離れた3ピンコネクタが信号線用で、左のUSB変換基板と接続する。残りのピンヘッダはサーボ、白いコネクタはサーボ電源)

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