2021年5月9日日曜日

子機の新規ハードウェア(機械・電子回路)

子機となるクワッドコプターの新しいハードウェアを作成しました。制御ソフトウェアを移植し、旧型子機と同等の機能を一応実現しました。

但し、使用するセンサーの違いにより、IMUによる機体姿勢推定の処理が全く変わることとなりました。旧型ではICで加速度と角速度センサーの両方を使って姿勢を推定する処理までを行っているのに対し、新型ではそれをCPUのファームウェアで行わなければならないためです。現状、一応動いてはいるものの未だ不十分な状態です。

モーターとプロペラは同じものを使い、フレームと電子回路をオリジナル設計しました。また、Telloの純正品や、Tello用としてサードパーティーから販売されているプロペラガードが使えるようにしました。
Tello純正品のプロペラガード
サードパーティー製の球状のガード

コントローラ(制御装置)にはM5ATOM Matrixを使用しました。ATOM MatrixはATOM Liteと比べてマトリクスLEDが付いていることが特徴ですが、それだけでなくIMU用センサーICのMPU6886も搭載されています。無線通信とIMU、4本以上のI/Oポートピンがあるということから、かねてより注目していたものでした。

なおATOM FlyというAtom Liteを使ったキットが既にあったのですが、これは見つけた当時既に売り切れていて、その後入荷する様子もなかったので諦めて自作に至りました。現在では廃番(end of life)となっています。


制御基板はKiCADで設計して基盤製造サービスで製造しました。昇圧DCDCコンバータ、モーター駆動用パワーMOSFET、電池電圧の分圧抵抗、リセットIC等が載っています。


I/Oポートと回路の接続にはM5ATOM裏面のピンソケット(コネクタ)を使用しますが、それだけでは足りなかったので側面のGroveコネクタからも配線を引き出しています。I^2CやUARTではなく、単なるA/D変換入力端子としての使用です。


Makerfabs基板はモーターを保持するフレームを兼ねていましたが、本機では気流を邪魔する形を避けるために基板面積は最低限とし、フレームは別の部品としました。モーター同士の間隔をTelloに合わせて設計し、3Dプリンタで作成しました。全部を一体で成形するのは難しかったため、いくつかに分けて出力した上でABS用接着剤で組み立てました。



バッテリーは新たに600mAh 50Cのものを採用しました。(コネクタは付け替えてあります)


結果的には、40%~50%ぐらいの出力でホバリングできるようになりました。ハードウェア改善としては成功ではないかと思います。
制御ソフトウェアがまだ不完全なため正確な航続時間はまだ計測していませんが、全体を覆うドーム状のプロペラガードをつけた状態において、少なくとも2分半は飛行を続けることができました。
次は制御部分の完成度を上げていきます。

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