2019年3月10日日曜日

チロルチョコロボット大会14に参加

チロルチョコロボット大会14に参加しました。初心者でも参加できるゆるい大会、ということで始まったそうですが、専用のロボットを作って真剣勝負する人、持っているロボットを流用して気軽に遊びに来る人、技術検証のため実験的なロボットで参加する人など、実に多彩なロボットが見られる大会です。
運動会のように複数の競技で競い、合計得点上位と人気投票による表彰が行われました。


2m斜面ダッシュ


横向きの傾斜のある路面を走行します。傾斜は競技者が選択し、難度に応じたボーナスとしてタイムが割引されます。映像のものが最大設定で90cmあたり5cmの傾斜です。簡単に見えますが、しっかり歩けるロボットが求められます。平地用の歩容生成プログラムに任意角の旋回機能を付け、目視による操縦で対処しました。

持ってけチョコ転がし

日本の小学校の運動会で行われる「大玉転がし」に相当します。チロルチョコの入ったカプセルをゴールラインまで押して得点します。3つのカプセルは中身の数が3個、6個、9個となっています。全部フィールドからなくなると再配置されます。
この競技もまた、操縦性の良い移動機構が求められます。特に大型ロボット(特に、ラジコン格闘競技用の人型ロボットの動きを制限して流用したもの)の場合は、競技場の端とカプセルの間にロボットを移動させるのに苦労することが多いです。

ちょこっとシューティング・ラピッド

5cm角以下の発射体によって紙コップ標的を落とす数を競う競技です。
発射体は手で装填あるいは発射しても良いというルールになっています。入門者用として、ロボットの頭上にレールを取り付けてそこにビー玉を手で乗せて転がして当てる、というような方式も許容するための規定です。この競技のためのメカニズム(発射体と発射装置)を他の競技との間で付け外しすることは認められています。

私のロボットTeapotは、電動化されたメカニズムと無線操縦により投擲を行いました。去年まで同様、間欠ピニオンギアとラックギアを用いた直動機構で輪ゴムにエネルギーを蓄えてから一気に解放するメカニズムによってチロルチョコを飛ばす方式としました。チロルチョコは8個までロボットに搭載し、次々投擲することができます。今年のメカニズムの改造点として、カートリッジを交換することで素早く次の8個を補給できるようにしました。
また、正面付近にある紙コップに自動で狙いをつける機能(以下、アシスト機能と呼称)を付けました。紙コップの位置をカメラの画像から検出、フィードバック制御により画面中央に捉えるよう方向を微修正します。
この機能は去年もあったのですが、肝心の画像からの検出部分が自作の適当なアルゴリズムであまり汎用性がなく、会場では全くうまく行きませんでした。今年はYOLOv2の実装を利用して画像から紙コップを検出するシステムを構築し、周囲の環境変化があっても使えるようなものを目指しました。
まだ学習データの不足のため不完全で、会場では場所によっては検出できなかったり位置がずれたりといった状態でしたが、それでも去年よりは遥かに良い性能となり、何回か実際に活用して得点をあげることができました。上の実際の試合の映像で、ピンク色のコップを最初に落とした際のものがその一例だったと思います。正確には覚えていませんが、足が段階的に動いて向きが修正される点と、会場の環境ではやや右よりにずれていたのが特徴で、それからの推測です。

試合の映像ではラップトップの画面を入れるのを忘れてしまったので、ロボットが認識している様子がわかるよう動作試験の映像も紹介しておきます。左のラップトップPCの画面にカメラからの画像と検出した紙コップの位置が黄緑色の枠で表示されています。なお黒の点線は照準線で、チロルチョコが飛んでいくおよその方向を示しています。2個目の紙コップを狙う際、アシスト機能を使っています。コントローラーのボタンを2個組み合わせて押すとアシスト機能をONになるようにしてあります。この間、ロボットの向きが段階的に変わって狙いが定まっているのがわかります。
自動化ではなくあくまで操縦アシストですので、左手人差し指の発射ボタンは手動で押すようにしてあります。

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