2024年10月6日日曜日

マイコン時計 静音化の検討

現状のHWでは稼働時(回転させて時間を見る時)に騒音が大きいという問題があります。これは主に駆動部のギヤから発生しています。モーターを横置きにしているため回転方向を90度変換する必要があり、そこにクラウンギヤを使用しているためです。一方でベルト(輪ゴム)とプーリによる駆動、ベアリングの回転音はほとんどなく静かです。

何故モーターが横置きなのかといえば、扁平な形状(円筒の高さが低い)のDCブラシモーターで安価に入手できるものがなかったためです。ブラシレスDCモーターであればこれに合う形状をしたものが多くあり、これを使うことを考えます。

電気電子機器の冷却用に使われるDCファンがドライバ込みでパッケージ化されており使えるかもしれないと思いましたが、トルクが十分でなかったので不採用としました。

ドローン(航空機)用の小さい3相ブラシレスDCモーターで使えそうなものがあったので、購入して試してみました。

出力、寸法共に良さそうなので、これで次のバージョンを設計します。 

上の実験では市販のドライバ基板(R/C用ESC)を用いました。性能自体は良いのですが、安全のため電源ON後は一旦スロットルをアイドルに入れてからしか回らず、またそれを知らせるためにしばらく回らずモーターから(回転子またはコイルの振動により)音を出す機能が入っています。時計に使うには不便ですので、DCブラシレスモーター駆動回路も適当なドライバICと共に自作回路基板に載せることにします。

2024年9月29日日曜日

KitMill BT200用の新PCセットアップ (Windows11でダウンロードしてコピーされたファイルが読まれない問題)

 今までThinkpad X60sで運用していましたがWindows10にアップデート後徐々に動作が怪しくなり、また起動時ファンエラーが出るなどハードウェアの故障も疑われるようになってきた上、ついに正常にログイン・ログアウトができなくなったため入れ替えることにしました。

中古PCショップで偶然見つけたARROWS Tabを購入しました。Windows11で新たに入ったと思われるセキュリティに対する設定が必要でした。

KitMillはCNCv4というソフトウェアを使用し、更に機械のパラメータ(送りネジとモーターのステップ等)やUI言語対応の設定ファイルをダウンロードしてコピーするように指示があります。

Windows11ではインターネットからダウンロードされたファイルはたとえデータファイルであっても(信頼性を担保できないので)一旦コンピューターのプログラムからのアクセスが制限されるようで、ファイルの[プロパティ]を見るとその旨が表示されていました。

ファイルの[プロパティ]から、上記の説明が書かれている部分で許可するチェックを入れて[OK]で適用することで読めるようになり、設定が適用されて使えるようになりました。

2024年9月17日火曜日

新版モータードライバ

 モータードライバ基板の新版を組み立てました。ロボット「逡巡」の2号機に搭載し、問題なく動作しました。


些細な問題として、新旧基板でモーターコネクタの極性が逆になりました。これは旧版を組み立てた際にコネクタのロック解除レバーが押しにくいことに気づき、組み立て段階で部品取り付け方向を逆にしていたためです。新版では回路図(部品の結線)は同じで基板設計だけ直したため、逆になりました。

またもう一つ、ハーフブリッジゲートドライバICのIRS2003IR2302Sをどちらでも使えるような設計にしたのですが、そのためジャンパ設定の説明をシルク印刷したものが逆でした。
この2つのICは機能とピン配置はほぼ同じで入力信号の形式が異なっています。
IRS2003: HINと~LIN:  ハイサイド・ローサイドを別々に指定する
IRS2302S: INと~SD: 上下どちらのFETをONするかと、シャットダウン信号
本回路の使い方ではフルブリッジで正転・逆転・ブレーキのいずれかとします。そのためIRS2003の場合はHINとLINに同じ信号を入力すれば良いのでこの2つをショート、IRS2302Sの場合はシャットダウン信号をまとめて別の信号で制御する、という風にして両対応できるようにした、という経緯でした。


2024年5月8日水曜日

Afinia H480の冷却ファン周辺部品

Afinia H480の冷却ファンの下についている部品が変色してきていたのでメンテナンスしました。ついでに気づいたことを記しておきます。

この部品はファンの空気の流れを導く役割をしていると思われます。今まで気づかずに使っていたのですが、手動でつまみを回すことでフラップを開閉して空気の流れを変えられるようになっています。時計回りに回す(出荷時)とフィラメントを溶かすホットエンドのヒートシンクのみに風が当たり、反時計回りに回すと新たな風の通り道が生じてノズルの先の造形物も同時に冷やされるようになります。



マニュアルに記述を見つけられませんでしたが、ABSの場合は閉じておくのが良いようです。これは以前見たことのあるFlashforgeのCreator PROがABSとPLAの場合で屋根を付け外しするように指示があったことからの類推でしたが、実際に出力してみた結果でも違いが見られました。(但し試したのは1回だけですので、ちゃとした実験ではありません)

いずれもABS(Premium)素材を使用、写真右がフラップを開いて(=ノズル先がよく冷える設定で)出力した場合です。造形物が明らかに曲がっている部分があり、正常に出力できていません。これはおそらく推奨外の使い方なのでしょう。一方、融点の低いPLAの場合は造形物をよく冷やすのが良いと予想され、そのためにこのフラップが付いているのではないかと思われます。これは今後PLAを使う際に試してみたいと思います。

なお、このフラップは部品本体と一体で成形されています。スペアパーツ用データで自分で出力した場合は、適宜サポート材を除去すると動くようになります。出荷時の部品も微妙に癒着が取れていないような状態でしたので、そもそもこの機能があることに気づくのが遅くなったのでした。

※Afinia H480/800の部品のうち、3Dプリンタで作られているもののデータは制御用ソフトウェアと一緒にProgram Files下のディレクトリにインストールされます。

2024年4月29日月曜日

4ch DCモータードライバ回路

新ROBO-剣ロボットを作るにあたり、移動機構モーター用のDCモータードライバを設計しました。FETゲートドライバのIRS2003SあるいはIRS2302をアプリケーションノート通りに使用する回路になります。

これは回路図の一部です。モーターを4個使用するので、実際には同じ回路を4個並べています。

これは最初のバージョンで、基板設計の段階で一部間違えた箇所を修正しながら組み立てました。この後修正済みの基板を再度発注し直しています。

FETにはFKV575を使用したので、余裕を持って数十Aの電流を流すことができます。ただし実際にはVHコネクタの定格が10Aでこちらがボトルネックになるはずです。実際そこまでの使用は想定しておらず、回路全体のヒューズも20A程度のものを装着しています。

なおこれでも明らかなオーバースペックで、実際に走行中も電流は多くて1A前後という程度で、当然ながら特に問題なく動いていました。絶対に壊れないということでこのような設計としましたが、省スペース化のためにはFETを変えたり放熱方法を変えたりしても良いかもしれません。

Maker Faire Kyoto 2024に出展

Maker Faire Kyoto 2024で展示を行いました。


ROBO-剣を多くの人に知ってもらい、興味を持ってもらえたと思います。このサイズのロボットが機敏で正確に動くのは面白いというような反応を多く貰いました。

今回はロボット1体だけですので実際のロボット同士の試合ではなく、移動機構の説明、対象との距離を保つフィードバック制御、そして面や胴への打撃を実演しました。

試合用の自動制御プログラムはまだ開発中で、移動と打撃を同時に行うと精度が出ないため、手動操縦も活用して各々の機能の解説という形になりました。

前回大会以来あまり進んでいなかったので、今回展示を通じて問題点の洗い出しができたと思います。重大なトラブルはありませんでしたが、次のような事項がありました。発生の原理や条件もある程度わかったので展示中は回避できましたが、次の大会までには根本から直しておきたいと思います。

  • 初期化処理が甘いことにより起動に失敗し、手動でマイコンをリセットして立ち上げ直す必要があった
  • 上の場合に、IMUが方位角を更新しないため方向維持のフィードバックによって機体が回転を続ける暴走
  • モータ電源ONのままでマイコンをリセットするとモータードライバ回路の意図せぬ動作で過大な電流が流れ、準備日に1回だけヒューズが作動


ブースを留守にしている間のための説明映像を今回も作成しました。

マイコン時計: 動画作成

Protopediaへの登録 と ヒーローズ・リーグ2024 への応募のために動画を作成しました。