2020年12月7日月曜日

知能ロボコン2021(仮)計画開始

2020年の知能ロボコンは中止になりました。来年こそは久しぶりに知能ロボコンに出場しようと思います。作ってみたいものができたので、計画を作成しました。

ロボット名(仮)

銀雲雀 (ぎんひばり)
Silver Lark

出場コース

チャレンジャーズコース。

概要

クワッドコプター型ロボット。飛行して移動する。ローターからの下降気流を競技台の床に当てることで、床面近辺でロボットの真下から外側へ向かう風を起こし、それによりボールを転がしてゴールまで導く。ボールの色分けは行わず、すべてのボールを1つのゴールに入れる。正しい色5個で15点、誤った色10個で10点、自由ボール5点で合計30点を目指す。

目標

自律飛行するクワッドコプターで、競技台上空をある程度(30cm程度の誤差)正確に移動させる。

課題

クワッドコプターの特性上、機械的安定性だけで空間の1点にとどまることはできない。そのためフィードバック制御が必要である。しかし、姿勢制御用(IMU)センサーのみではロボットの現在位置を長期的に正確に得るのが難しい。

上下方向は測距センサーにより床面との距離を計測するか、あるいは大気圧の変化[1]により計測した高度を基に制御する方法がある。水平方向への移動については、Telloのように高度計および床面を撮影した画像から移動量を推定し、それを積分して現在位置を推定するものがある。しかし、知能ロボコン競技台は模様のない真っ白な部分や、1方向の直線のみしか見えない箇所が存在するため、映像からの移動量推定は常にできるとは限らない。

実際、900mm角の単色灰色の床板の上でTello Eduを飛行させてみたところ、位置推定ができない旨の警告表示が出て、位置制御が行われず水平方向へドリフトしていくような挙動が見られた。また、CoDrone (中身はBYROBOT Petrone) でも同様のことが起こった。少なくともこれらの機種に搭載されているような、オプティカルフローセンサーユニット[2]ではうまくいかないことがわかった。

そこで、地上にステーションを設置してそこからの光学観測によりクワッドコプター(以下子機とする)の現在位置を計測し、無線により飛行の操作指令を送ることでフィードバック制御を行う。

観測方法として次のようなものが考えられる:

  1. 既知形状の物体によるもの
    ARマーカー等を子機に取り付け、色画像からそれを検出する。
    利点:周囲の環境に影響されにくい。回転角も一緒に得られる。
    欠点:細かいパターンを見る必要があるため、画像の空間分解能が必要。モーションブラーによる観測不能のおそれ。
  2. 深度画像センサーによるもの
    競技台上空の空中には他に物体がないと仮定する。なにか物体があればそれが子機である。
    利点:周囲の環境に影響されにくい。
    欠点:回転角を得るためには、形状を工夫するなどが必要。

システム構成

子機には飛行に必要な6軸慣性センサーと無線通信装置、マイコンのみを搭載する。BluetoothまたはWiFiによりステーションから子機へ指令を送る。また、光学観測のためのマーカーあるいは反射板のような何かを子機に搭載する。

ステーション側にはラップトップPCと観測用カメラ、無線通信装置を搭載する。

開発日程

2020年12月 ラジコンとして遊べるクワッドコプターを作成
2021年1月 知能ロボコン競技台作成、カメラでの位置観測を試みる
2021年2~3月 カメラを設置するステーションの設計と製作
2021年2~4月 飛行制御
2021年4月 ステーションの補助機構製作
2021年6月 知能ロボコン出場

補足説明(脚注)

[1] 意外に思われるかもしれないが、10センチ程度の高度変化による微小な大気圧の変化がコンシューマーレベルの半導体気圧センサーでも検知できる。3000円程度のホビードローンでも採用されているほど。スマートフォンの気圧計アプリでも、ちょっと持ち上げたりすると小数点以下が変動するのが確認できる。
[2] 撮像素子と画像処理・画像認識装置を一体化した集積回路を用いた部品。内部でおそらくオプティカルフローを求めるような演算を行っている。画像ではなく相対移動量が出力される。

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