試作機のハードウェアを試運転しました。ある程度以上のパワーで回すと通信が途絶、更にはプログラムが停止するという現象が起きました。これは想定範囲内で、テストに使用した電池(350mAh)の放電能力不足であろうと推測しました。大電流の放電を行うと、電池の電圧が低下してマイコンの正常動作に必要な電圧を確保できなくなるという理屈です。特にこの基板は、電池から直接(低ドロップタイプの)シリーズレギュレータを通してマイコン用の3.3V電源を供給しているため、公称3.7Vのリチウムイオンバッテリーでは余裕が少ないと考えられます。
電池を選定するにあたり、モーターの消費電流のおよその見当をつけます。今回使用するモーターは製造元や正式な型番がわからず、データシートから知ることができないので、実際に測ってみます。
1.ストール時電流の最悪値を考える場合:モーターの巻線抵抗が実測でおよそ0.7Ωだったので、4.2V / 0.7 Ω = 6A。4個で24A。この値まで保証できればより安心ですが、必要以上に大型のバッテリーを載せるのは重量増加につながるので、もう少し実際に近い値を探ります。
2.地上に機体を固定してファンを回した際の電流の実測(モーター1個で、電池直結):2.6A @4.2V。
3.空中で重力と釣り合うときの消費電流: およそ8A。このときPWMのduty比は50~60%ぐらい。竿の片方の先に着けて手で支え、補助しつつ感覚で釣り合いを見ながら電流を測定。
以上より、ホバリングには最低8A、制御を考えると13A前後が必要と見積もりました。今までテストに使用していた電池は350mAh 25Cなので8.7Aが定格の放電率(おそらく定常値)。4個のモーターを回すには足りないことになります。 実際、モーター2個までは最大出力で回しても正常動作を続けられたので、これとも大雑把には符合します。
また、放電率の他に容量と航続時間も考慮しなければなりません。
現在の構想では競技中は開始時と終了前以外はずっと飛行することを考えています。そこで航続時間を4分(知能ロボコン予選の競技時間の80%)とすると8A * (4/60)[hours] = 533mAhが最低限必要。
以上のことから、600mAhから1000mAhぐらいの間の電池(放電率25C以上)を試すことにします。
また、使用した直流電源(秋月のSI-8010Yキット)が8Aが最大値のため、騙し騙しの計測となっていました。こちらも開発用に用意する必要があります。
十分な大きさのバッテリーでも、電池残量低下時にはマイコンが正常動作できなくなって暴走する恐れがあります。飛行中制御ができなくなる(制御ループは停止してもモーター駆動のPWM信号だけ出ている状態)と危険ですので、電池電圧を監視して電源を遮断する回路を付けることも検討します。
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